1. 風の始まり |
ライブで成長してきた曲が多い中、この「風の始まり」と最後の「道しるべ」がアルバム制作にあたって書き下ろした曲です。 どこか山の奥や遠い谷に、風の生まれるところがあったら、、、ちょっとファンタジックなイメージを持って描きました。アコーディオンの音色のキーボードは自分で演奏しています。 |
2. 雲に手をのばして |
子供の頃、誰もが「雲」ってつかめると思っていたのではないかと思います。・・・こうライブのMCで話したら、意外と「いいえ」と首を振る人がいてびっくりしたのですが、、、(笑)一方、うなずいて下さる方や、乗れると思っていた!と返してくださる方も。共演者の反応も様々です。 そしていつしか大人になって、雲はつかめないし・乗れないのだ、と気づいた、ちょっと切ない気持ち・・・そんなところまでメロディにしてみました。 レコーディングでは「雲はつかめると思ったことない」派のピアノ宮川直巳さんと「むしろ乗れると思っていた!」派のヴィブラフォン山崎ふみこさんに参加いただきました。 今回の収録ヴァージョンではヴィブラフォンが最後、「やっぱり乗れるんだ」そんな風に思わせてくれるような演奏になっています。 |
3. Garnet |
「赤」は私にとって普段あまり手にしたり選んだりしない色です。ただ、何故かある時「赤」の曲を作ろう!と思い立ちました。今までの自分にはない、情熱的な「赤」の曲を。 メロディを作っていくうちに、少し渋めの赤色になっていきました。ある程度曲の形が見えた時に、タイトルをどうしようかなぁと、色々な赤の名前や色を眺めていて、「Garnet」がぴったりだと思いました。1月の誕生石でもありますね。 アレンジの宮川直巳さん、豪華な4名の敏腕ミュージシャンの手により様々なジャンルを感じさせる曲になりました。様々なアイディアと私の楽曲への理解でレコーディングに挑んで下さったパーカッション井谷享志さん、素晴らしいソロを残してくれたヴァイオリン柴田奈穂さん、1枚目から皆勤賞となった大人なウッドベースで参加してくれた河野岳美さん。ピアノ&ギター両方で活躍してくれた宮川直巳さん。素敵なミュージシャンに彩られた「Garnet」となりました。 |
4. 熱田神宮の四季 -熱田神宮創祀千九百年記念イベント テーマ曲- |
名古屋にある熱田神宮が2013年に創祀1900年を迎えました。日比谷公会堂で行われた記念イベントにテーマ曲を書かせていただきました。私が生まれて10歳まで育った名古屋。その名古屋にある由緒ある(なにせ1900年です!)熱田神宮に曲を書くことができ、とても嬉しかったです。 熱田神宮の四季折々の自然と、熱田神宮にまつわるヤマトタケルの物語をイメージして作曲しました。 当時はフルート・ピアノ・チェロの編成でしたが、アルバム収録にあたり、当初から入れたかったパーカッションを加えた編成にレコーディングしなおしました。チェロの深い音色に神々しいパーカッションが最初に描いていたイメージとなってアルバムに収録できて良かったです。 |
5. 月夜のダンス |
どこか異国の月の下でダンスをする人、、、 どちらかというとヨーロッパとかではなく、アジア〜中東のイメージが私の中ではあります。 このアルバム唯一のギター伴奏の曲。曲を作った時からギターのフレーズも決まっていて、ギターを弾かない私が考えるフレーズなので、ギターの宮川直巳さんにはちょっと苦労をかけてしまったみたいです。 斎藤孝太郎さんのチェロがまたシンプルながら美しく響いて、きっと聴いてくれる人に色々な「月夜のダンス」を感じていただけるのではないかと思っています。 |
6. 新しい季節へ |
作曲年は比較的古い曲です。10年ほど前に中学時代からの親友の結婚式に書き下ろした曲で、彼女にインタビューをしてエピソードも入れた歌詞もある歌モノでした。親友の結婚式が秋のお彼岸で、「季節が変るこの日に家族の元を離れ、新しい家族へ」という彼女の言葉が印象的で、このタイトルにしました。 昨年、思い立ってフルートで演奏してみたところとてもしっくり来たので、時々ライブで演奏するようになり、ヴァイオリンも加えてアルバム収録にまで至りました。 ピアノアレンジは私のアレンジを元に宮川直巳さんに広げて彩りを加えてもらいました。ヴァイオリンアレンジは自分で書き、柴田奈穂さんの美しい音色にイメージ以上の仕上がりになりました。 |
7. 彼方の物語 |
「どこかの」「だれかの」ちょっとドラマチックな人生。そんなイメージで作った曲です。 途中でテンポ感が変る曲ですが、レコーディングのブースでお互いの顔が見えない環境で、呼吸だけで合わせることができた、ピアノ宮川直巳さん、チェロ斎藤孝太郎さんとのトリオ編成。 冒頭のフレーズはチェロをイメージして書いたので、この編成でレコーディングすることができて嬉しかったです。 カッチリと決めたフレーズを演奏していただく形のこの曲で、一箇所だけチェロ斎藤孝太郎さんに「自由に盛り上げて」とお願いした箇所は、想像以上の演奏してくれて、よりドラマチックになりました。 |
8. 落月 |
”らくげつ”と読みます。西にゆっくりと沈んでゆく月。 2年前のふたご座流星群のころだったでしょうか。夜中に流星が見たくて寒い中、空を見ていました。 流れ星はあまり見られませんでしたが、遠くの住宅の屋根に沈んでゆく月が。 月が沈んでいく様子を初めて見たような気がします。ゆっくりと、でもはっきりとわかるようなスピードで沈んでゆく月。多くの家が静かに寝静まっている、そんな家の屋根に沈んでゆく月はとっても温かく心に残りました。 それから少し経って、その様子がまだ心に残っていたので曲にしたものです。 繊細で温かいピアノ。フルートは高めの音域でメロディを奏で、最後に同じメロディを低い音域で演奏しています。ゆっくり西に沈む月の温かい色合いを感じていただけたらと思います。 |
9. 道しるべ |
アルバムに書き下ろした楽曲です。 最初は漠然と「道」「旅」「駅」そんなイメージで作り始めた楽曲。そんな頃、レコーディング準備に先駆けてジャケット写真撮影がありました。自分で見つけて選んだロケ場所には草むらに自然に(?)できた道が。ブックレットの裏にある写真にうっすらと写っているだけの道ですが、私の中でこのアルバムの象徴的な「道」となりました。 風にふわっと吹かれて進んでゆく、、、風の道しるべ、とアルバムタイトルが浮かび、この曲のタイトルも「道しるべ」となりました。アレンジを宮川直巳さんにお願いし、より意思のある、そしてドラマを感じる展開にしてもらえました。アルバムの最後にふさわしい曲になったと思っています。 |